◆影踏み◆

2001年5月17日
 昭和50年代くらいまでは子供の定番の遊びだったようです。本人ではなく、影を踏むことで入れ替わる鬼ごっこ。

 フジテレビで「壱百萬男」というプログラムがあります。木曜のフジには珍しく、放送の空白を埋めるために用意されたどうでもいいプログラムとは位置付けが異なっています。

 無作為に選んだ人に、唐突として5時間以内に100万円を自由に使いきってください、と提示がされる。全て、自分のために使ってください。タナボタに喜ぶ男性。しかし次第に身に覚えのないカネに自らの尊厳を従属させることに耐えられなくなる。そんな内容。

 いずれ他人からもらったカネを使うことに後ろめたさを感じないパターンも出てくるだろう。それは使うことを正当化するようなチャンネルが一つの人には無理だろう。自分の中に複数の人格を飼っている人(これを私はチャンネルを複数もつ人とよんでいる)を何かにつけて見かけてしまう。モラルを持っていないのではなくて、そのチャンネルに切り替えると適用されなくなるだけだ。多重人格ではなく、きちんと自分があり、各チャンネルを制御できる。ただ、それを自分の起こした出来事と感じていない。そんな定義づけだ。

なんていう見解はどうでもいいのだが。

 人間性の悪意を露骨に引き出すプログラム。その責任はカネを受け取った参加者にある(もちろん、100万円返せば辞退もできる)。テレビから一方的に人間観察している私にも、罪悪感のようなものを感じる。そして、こんな放送をビジネスとして成り立たせている。字面だけ見るとPTAのオバチャンみたいな抗議に見えるかもしれないけど、プロデューサーおちまさと、研究対象に値する人物だ。いろいろ手がけてますな。

 「明日からあなただけ影踏みをしてください」

といわれて、どこを歩くのにも他人の影を踏みつづける行為。最初は自分が一方的に踏みつけることができて優越感あるかもしれないけど、だんだん気後れするような予感が。

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