※本文が長すぎる、と警告受けたので、2部構成です。


フジの深夜番組には、たまにドキリとさせる出来のものがある。今作はまさにそれだった。

出版業界に少しでも興味を持つ人なら、ここ3年の出版不況を耳にしているだろう。何を隠そう私も兼務ながら書店員だった時期がある。其れが為、プログラムがアンテナに引っ掛かって最後まで津々と興味深く見てしまいました。

▼「出版不況」とはなにか
まず余談。〜とはなにか、という見出しはホントは好きじゃない。〜とはこういうことだ!、と書いてくれている方がタイトルとしてはうれしい。特に専門家で、わかってるくせにそのようなタイトルつけるのはどうかと。別に塩野七生の個人批判してるわけではないが。さて本論。近頃、佐野真一、永江朗、氏等が出版業界の問題点を詳しく記した本が話題になりました。本が売れなくなった、理由。小遣いが携帯電話に流れたこと、当座の売上が欲しくて出版社が濫発行していること。

少し関連するが、意外なことに若者が本を読まなくなった、というのはここ数年は当てはまらないのだ。読む形態は変わるのだが、確かに本という媒体では読まなくなったが、メール@の影響でテキスト(.txt)は身近な存在になっている。本題ではないので今回は割愛して以後の日記に譲ります。

出版点数は増加している。しかし、販売冊数、業界全体の売上高は落ちてきている。書店の廃業は加速している。外的要因が全てなのだろうか。

▼業界の抱える問題点
「本とコンピュータ」という雑誌がある。いや、あった。休刊したのだ。オンライン書店、電子書籍、オンデマンド出版など、出版とデジタル化の関係を模索してきた。業界に議論の場を提供してきた。しかし、業界に4年の歳月を提供したにもかかわらず、明確な展望を示すことは出来なかった。「議論のテーマは4年間立っても少しも変わらなかった」(引用)、と読者からの指摘があるように、「出版界が、もがきながら衰退する様子を伝える結果になってしまった」(引用)との形に終わった。

現在の書籍の流通事情について、少し説明。
●出版社が本を出版する
↓(1)
●取次ぎ(配本するところ、主に日販、トーハン)
↓(2)
●書店に並ぶ
↓(3)
●預かった本をお返しする(返本)

(1)本は、とりあえずどんなものでも出版して取り次ぎに渡せばカネになる。
(2)配本すれば、とりあえず書店からカネが入る。
(3)書店は返本すれば、預けていたカネが戻ってくる。

単純な循環である。

このため、出版社は数多く本を作ることに勤しみ、どんどん当座のカネを得ようとする。売れなくて戻ってきたら、また新刊をだせばよい。

単純な動機である。

売れない本を押し付け、質の高いものを埋もれさせていく。再販制度で勝手に書店が本に値段をつけることも出来ない。委託制なので売る努力していない。欲しい本が取次ぎから回ってこない。

この業界はなるべくして、不況になっていった。


※以下、様々なアプローチ編。

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