◆女王/百年/密室(目にすれば失い、口にすれば果てる)。◆
2002年6月6日ウトウト。眠くなってしまう悪習慣。仕事してるときには「家に帰ったら早く寝よう」と決意するのに、家に帰ってしまうともろく崩れ去ってしまうのは何故?
近頃は老いも若きも男も女も、みなサッカー評論家になったかのように見えます。昨日まで何も関心を持たなかった人まで選手をニックネームで呼び始めるとは…。
関心のない振りをするのがインテリだ、なんて云う人は射殺です。遠足の日にわざわざ「本を持ってきてもいいですか」、なんて先生に聞きに行った某氏を思い出します…。視野は広がりましたか?
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森文庫「女王の百年密室」読了。
私はノベルス版で読んだのですが、店頭でハードカバーの版に触れたとき、ぞっとするほど美しい装丁でした。値段の違いはこんなところに…などとコンテンツに関係ない話題であります。しかし、手に取る契機、出逢いにおける相当のアドバンテージであることも否めません。さてさてスーツでもプレスしようかな(全く的外れですね)。
実は今作のテキスト版を読む前に、スズキユカ氏のコミック版を読んだことがありました。そのためストーリィを追おうとしても先入観がなかなか抜けなくて、とても苦しみました。先の流れ(特に殺人のトリックがどうしても目に付いてしまう!)がビジュアル化してきて、20分以上の読書時間を許さないのです。いやぁ、参りました。
そんな訳もありまして、前半部の読み込みはかなり混沌としたものになってしまいました。コミックスが悪いというわけではないのですが。
内容に移りましょう。死生観や社会性の意味、そしてSFチックに森氏流の未来の片鱗を垣間見せてくれる時間でした。「もう物質を送りつけてくる奴はいない」などと聞くと、大学の研究室に毎日送りつけられてくるDMの山が想像されてしまいます…。オフィスで働く状況となっても紙の消費は驚かされるほどですからね。
死ぬとか生きるとか、「永き眠り」を操ることで死をめぐる社会的意味が大きく変容すること。殺人も治療も、朽ちることのない眠りによって放棄されてしまいます。この世界観では私たちの所属する文化・風俗こそが異質であり、安定した緩やかな滅亡に対しての処方箋となるはずでした。きっと、街の延命治療すらも拒絶された悲劇。知られることもなく朽ちていく密室なのでしょうね。
余談ですが(♪)、ソフトウェアで大富豪になったB.Gって…あーあー。あまりくだらない妄想はやめましょうかね。S.Jでは格が劣るということなのかも(森氏は林檎党ですけどね)。
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