いつもどおりのとき。
いつもならざるとき。

たったひとつ悩みを吐露するだけで、たったひとつ認められるだけで、心は晴天に変わる。

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あ〜、さてさて。

西尾維新著「クビシメロマンチスト」、読了。

破壊衝動。加虐衝動。作者の持つ死生観と怜悧な痛みのない残酷さ。この作品にはほとんどの人が“欠陥”部分を持ち、それらを相互に埋め合わせていた。ある一つのロマンがそのチェーンから外れたとき、全てのパーツはその凶暴さを顕にしていく。

なかなかどうして、かなり痛いです。2種類の意味で、かもしれません。肉体的痛み、そして行為そのものと愛することを見失った痛み。ページをめくるたびに、べったりと血糊がまとわり着くような、そんな感じ。ひさびさに自分の中の加虐衝動を呼び起こしてみたり、いやむしろ現実にはそこまで指をポキポキできないよっ、って具合にテキストが代償行為になったり。

そんなダークな部分もありながらも、エンタとの丁度いいサンドイッチである点が作者の素晴らしい点でもあります。相変わらずリズム♪よく文字を追っていけます。しかもそれが愉快なセンテンス地雷地帯だったりするから、もう大変!個人差はあるでしょうけれど、私、こういうの結構好きです。

>>「もしもし?いっくんですよねー?」
>>「・・・・・・」
>>「間違えたっ?え?あたし、間違えたっ!」
>>「・・・・・・・・」
>>「うわーっ!《ラジオ体操第二、ただし時間
>> がないのでヒゲダンス》みたいなっ!すみ
>> ませんっ、番号間違えましたーっ!」

……え?個人差ありますか?

最後に作者の例に倣ってサンドイッチでも。こんな感じのキーワードにピンとくるようならあなたも傍観者でいられません。
・パーソナルサークル
・欠けたものは直らない
・決定的なビハインドに気付いたとき



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