取り留めのない日常はどこにでもあるようです。本当になにもしないで日曜日を過ごしてしまうと、脱力感に苛まされますね。

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アガサ・クリスティ著、清水俊二訳
「そして誰もいなくなった」

読了。唐突に古典ミステリィを読んでみたくなり、そして必然的に蔵書されていた今作を手にとってみました。予めプログラムされた予定調和ということでしょうか。

取りも直さず、第一印象から。読んでいると眠くなる…(オィ!)。登場人物が横文字、というのが初めは慣れず倦怠感のみ先行してしまいます。ファーストネーム、ファミリィネーム、愛称、これらの3種を使いまわすので“登場人物”欄に何度も手が伸びます(笑)。世界史受験とは思えない幼稚さですなぁ。

それでは第二印象へ(?)。ミステリィ界をタイムスリップしたかのように、文体の古さと直線的でダイナミックな表現が、逆説的ながらも目新しく感じます(マイナスの表現で云えば違和感)。それは黒人とインディアンを巡る時代の扱い方、翻訳とはいえ原文の力強さといったところに表されています。現代に流通している書物がノウハウを積み重ねて出来上がっている証左なのかもしれません。

で、「楽しめた?」かどうか聞かれると…微妙な線です。この時期のミステリィ小説が“犯人とトリック探し”に偏重されているせいでしょうか。先の力点を除けば自然と「犯人探し」に引き込まれます。そのための雰囲気作りもされているので…まぁ良いのですが。

過去の名作は重いですなぁ。「やり方はいろいろあるんじゃないの?」が最終感想。新しいものが常に良い、とは思いませんが、手法と世界は広がるものです。この業界は下位互換が保たれている…か。なるほど。


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