◆残酷な覚書。◆

2003年3月20日

「朝起きたら戦争が始まる」

 この世の中に意見が溢れている。この戦争に反対、戦争そのものに反対。危険国は排除すべき、テロ支援国をのさばらせておくことは出来ない。

 なるほど、論拠を求めようとすればどんなことでも理由にすることができる。“相手の頬を張り倒す権利”を拵えるのが本当に上手い国だ。二つの塔が崩れ去ってから十数ヶ月、周到にこの日のこの時を待っていた。湾岸戦争とは異なり、今度は地上部隊も出兵する。同胞の血を流してでも侵攻を完結させる覚悟だろう。戦闘は短期終結できても、人心掌握にはとてもとても長い時間を要する。ヴェトナムに遺した両国の傷が癒えるのに30年以上かかった様に。

 さて日本。多分に問題を含むが、首相がアメリカの行為支持を表明した。言論の自由が保障されている国であるから口に出すことは自由であるけれど、国の立場を明確にした以上、決定に従うべく求められるだろう。具体的に云えば、国際テロ集団に施設を狙われるといったことも容認し、覚悟を持って立ち向かうこと。グラウンドゼロ以降も“なぁなぁ”で来ていたが一応の決断はしたのだ。

 考えることは大事。そして考えることは一つの立場に固執せず、数多くある立場をシミュレートし思い計ることに繋がる。その結果答えを出すことこそが肝要で、考えることは重要性を持つが、プロセスは評価されない。…世の中に戦争を、そしてこの戦争を肯定している人もいるのです。

 このようなときだからこそ(こんなときにしか、ではなく)、思いを巡らしてみます。
 今回の戦争ほど、戦争が始まるまでのカウントダウンに静けさが伴ったのは無かった、と思う。空から人が降ってきた日からのカウントダウン。48時間の猶予という秒針のカウントダウン。怜悧にリミットが迫る緊張感が濃縮された瞬間でした。

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