とあるラーメン屋にて。

 ちょっとした散歩の途中、寄り道癖で家電屋さんを覗いたり、スーパーで生活品を調達したり。そんな最中の、とりとめも無い風景。

 注文をして、席で待つ。数分後にラーメンは運ばれてくるのだろうが、それまで待つだけで何もすることが無い。“ふっ”と湧いた待ち時間。散歩という位置づけだったので文庫も何も持ち合わせていないことに気付いた(財布も無かったら喜劇かも)。慌ただしく、i-modeを開いてみたが、たった数分の空き時間も何かで埋めようとしている自分の姿を見つけ、哀れに思った。

 ケイタイを仕舞い、焦点も合わさずグツグツと煮える鍋を見る。そういえばここ何ヶ月、いや入社してから1年だろうか、何もしないでいい時間を過ごしていただろうか。紙を捲ったり、キーボードを叩いたり、ゲームパッドを握ったり、余暇の時間でさえも何かで埋めなければならないと焦ってはいなかっただろうか。

 グツグツ、グツグツ。

 時間の流れが止まる。視線は虚ろに。湯気の向こうに何も無い。呼吸で胸が動いているのを意識したり。何もしないことに落ち着きを覚える。こんなゆったりとした時間、何時振りだろう。前向きに前向きに、で、つんのめっていたのだなぁ。

 ラーメンが運ばれてくるまでの、至極な時間でした。


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