◆誰かと誰かの境界線。◆
2003年9月21日ずっと、探している本が有ります。おそらく誰にとって価値を認める人はそう多くないでしょう。私の中で焦がれ追い求めているものです。その理由は幼少期に触れた思い出と切り離して考えることは出来ません。逆に云えば、体験・エピソードがあるからこそ、その本の価値を認めているわけです。
詰まるところ、「特定のメディアを薦めること」の難しさは、そんな所に依拠するのではないでしょうか。評論者のフィルタに掛かったものだけが、表に出る。手にも取られれず、黙殺される多くの本達。誰かに薦めて共感される、というのは多くの幸運が交わった運命の業となるでしょう。
それでも求めていたものと手にしたもの、両者の差異を感じることができれば、それは即ちあなたと誰かの個体の差を認めることが出来ます。ましてや「映画と観劇、どちらが好きか」、そんなことすらも知らないのですから、差異が有るのを認めつつ、一歩を踏みしめて手渡してみましょう…。
■「まどろみ消去」(森博嗣著)
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短編集なので、いずれどれかのフィルタに琴線が引っかかれば幸い。
どれも違う、と感じるのならば、それが生物特有の個体差。99.99%以上同じ遺伝子構成なのに、僅かな差が隔てと彩りを導けるのですね。勿論、手に取らない選択肢も有効です。
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