◆失われる"帰ってきてもいい場所"にて。◆
2003年10月7日偶然と必然(己か、他者か)。
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とても懐かしく、憧れた人と再会。人が集まれば自然とまとめ役になり、細やかに心配りができる。憧れ、そして尊敬に値する人であった。
その後、日常の忙しさに流され、いつもの場所に訪れることは激減していった。"いつでも連絡は取れるだろう"、そんな甘えた気持ちが関心を他へ移ろわせ、顔を出すことすらも忘れていった。
…数ヵ月後。かつて集った場所が取り壊されることを噂に聞く。もう間も無く、その場所は地図から消える。ぽっかりと心に開いた穴。大事なものを放り出したままでいたことへの後悔から、取るものとりあえず運命の地に駆けつける。
改札を下り、一見あの時とまるで変わらないドアを開ける…。視界に開けたものは……、まぎれも無く憧れたあの人だった。視線が絡んだ気がする。予期せぬ出来事に心臓が打ち抜かれたような気がする。
ほんの数秒、時を埋める数秒。上下の唇が離れる。震える咽喉から其れは同時に。
「…ただいま」
「…おかえり」
冗談のような、ドラマのような、運命のような。いろんな偶然が重なり合った真空の瞬間。そしてふと、笑みがこぼれる。
…そんな一瞬とそれからの数時間。週末の約束を初めてしてみました。
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