◆「タスケテ…?」(映画イノセンス試写会)◆
2004年2月29日 映画
DVD 人々が電脳化された近未来。少女型の愛玩用ロボットが暴走し、人間を殺傷するという事件が頻発する。それを捜査する公安9課の刑事バトーは、自らの脳にハッキングを受けるという妨害を受けながらも、真実に近づいて行く…。1995年に公開された『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の直接的な続編であり、押井守監督のアニメ作品としても9年…
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試写会「イノセンス」@科学技術館サイエンスホール
アニメーションの表現であるとか、技術面であるとかは容易に自分の言葉に変換して話せる。だけれど、
「映画の感想は?」
そんな当たり前な質問に疑問符が頭に渦巻いてしまいます。面白かったのか、それともつまらなかったのか。自分の中で感想を描こうにも、取っ掛かりがなかなか掴めませんでした。
一緒に観に行った友人Mも、観たばかりの映像をプレイバックして反芻しているような、微妙に硬い表情を崩しません。同様に、私からも話しかけるのを自然と噤(つぐ)み続けてしまいます…。二人とも、他者の感想を聞いてはみたい、けれども他人の感想に染まる前に自分の所感を抱いておきたい。そのような想いが頭の大部分を占めていたのかもしれません。
題目の『イノセンス』。私はinnocenceを「無垢」と云う意味で解釈しました。冒頭である人形(機械)が「タスケテ…」と呼びかけます。そして脳の一部を残してサイボーグ化した男は、自ら人形の引き起こす犯罪を鎮圧する中で、体は限りなく人形に近づいた自分とそれら人形との境界条件の曖昧さに答えを求めようとします。
「人間として認識されるための"微かな"根拠」
かつて確かに人間だったがその存在に不安を覚え、体温を伝わせる犬に自らを重ねる男。魂を持たずダビングされ書き込まれるだけの入れ物。そして人間の存在として個体を捨て、ネットの中で知覚を無限に拡張した女性。
単純に、純粋に、大切なものがあるから人として踏み止まる。その理由は「生きたいから」。この言葉に集約するような気がします。
私的価値、……。とても微妙です。文章にして整理してみたつもりでしたが、それでも数パーセントしか理解していない気もします。自分にとって幾ら分の価値が有るのか、正直不定です。
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試写会「イノセンス」@科学技術館サイエンスホール
アニメーションの表現であるとか、技術面であるとかは容易に自分の言葉に変換して話せる。だけれど、
「映画の感想は?」
そんな当たり前な質問に疑問符が頭に渦巻いてしまいます。面白かったのか、それともつまらなかったのか。自分の中で感想を描こうにも、取っ掛かりがなかなか掴めませんでした。
一緒に観に行った友人Mも、観たばかりの映像をプレイバックして反芻しているような、微妙に硬い表情を崩しません。同様に、私からも話しかけるのを自然と噤(つぐ)み続けてしまいます…。二人とも、他者の感想を聞いてはみたい、けれども他人の感想に染まる前に自分の所感を抱いておきたい。そのような想いが頭の大部分を占めていたのかもしれません。
題目の『イノセンス』。私はinnocenceを「無垢」と云う意味で解釈しました。冒頭である人形(機械)が「タスケテ…」と呼びかけます。そして脳の一部を残してサイボーグ化した男は、自ら人形の引き起こす犯罪を鎮圧する中で、体は限りなく人形に近づいた自分とそれら人形との境界条件の曖昧さに答えを求めようとします。
「人間として認識されるための"微かな"根拠」
かつて確かに人間だったがその存在に不安を覚え、体温を伝わせる犬に自らを重ねる男。魂を持たずダビングされ書き込まれるだけの入れ物。そして人間の存在として個体を捨て、ネットの中で知覚を無限に拡張した女性。
単純に、純粋に、大切なものがあるから人として踏み止まる。その理由は「生きたいから」。この言葉に集約するような気がします。
私的価値、……。とても微妙です。文章にして整理してみたつもりでしたが、それでも数パーセントしか理解していない気もします。自分にとって幾ら分の価値が有るのか、正直不定です。
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