◆想い出の残心、虚数を操る骨董屋(虚数霊/むらかわみちお)。◆
2004年7月30日 読書
ISBN:4344804279 コミック むらかわ みちお 幻冬舎 2004/07/24 ¥620
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「モノの価値って、一体なんだろう?」
このコミックは解として一つ、「持ち主にどれ程愛されていたか」を軸に据えています。世に流行ある限り、コレクターの中にも千差万別、モノを所有すべき相手と、投機が目的の蒐集相手が出て来てしまいます。マーケティングの産物であるより、惚れ込んでなけなしの小銭を注ぎ込んだモノの方が、想い出に深く残るでしょう。
骨董品(ちなみに本書の舞台は噴火により首都壊滅した、遠くない未来の東京下町である)とは、前の所有者の存在が欠かせない種類のハードウェアであります。外見が同じように見えても、目垢が付かないように仕舞いこんだままのモノと、愛でられて使われたモノ、所有者の愛憎はきっと違うハズ。幸せに扱われてきたモノほど、霊的に祝福され「価値の高い骨董」として取引される、というのです…。
ある意味(出た、逃げ口上)、完成塗装品と組み上げたプラモデルくらいの違いのようなもので。思い入れの有るモノを、価値を分かってくれる人に所有してもらいたい…とゆーのもまた事実か。
あくまで「その人にとっての価値」を認められればいいわけなので、表紙の主人公のボタンを掛け違えた着こなしも、本書のテーマの表れなのでしょうね…。印刷が黒色インクではなく、セピアカラーなのも、モノクロ写真を意識した想い出を誘引させるための要素なのかも。
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「モノの価値って、一体なんだろう?」
このコミックは解として一つ、「持ち主にどれ程愛されていたか」を軸に据えています。世に流行ある限り、コレクターの中にも千差万別、モノを所有すべき相手と、投機が目的の蒐集相手が出て来てしまいます。マーケティングの産物であるより、惚れ込んでなけなしの小銭を注ぎ込んだモノの方が、想い出に深く残るでしょう。
骨董品(ちなみに本書の舞台は噴火により首都壊滅した、遠くない未来の東京下町である)とは、前の所有者の存在が欠かせない種類のハードウェアであります。外見が同じように見えても、目垢が付かないように仕舞いこんだままのモノと、愛でられて使われたモノ、所有者の愛憎はきっと違うハズ。幸せに扱われてきたモノほど、霊的に祝福され「価値の高い骨董」として取引される、というのです…。
ある意味(出た、逃げ口上)、完成塗装品と組み上げたプラモデルくらいの違いのようなもので。思い入れの有るモノを、価値を分かってくれる人に所有してもらいたい…とゆーのもまた事実か。
あくまで「その人にとっての価値」を認められればいいわけなので、表紙の主人公のボタンを掛け違えた着こなしも、本書のテーマの表れなのでしょうね…。印刷が黒色インクではなく、セピアカラーなのも、モノクロ写真を意識した想い出を誘引させるための要素なのかも。
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