「アキバ専用服」。

 群れの中での差異化という意味なのでしょうか。一般的に、あくまで一般的に、被服のセンス度合いが抑え目な地域というのは確かにあります。田舎だと店も無ければ情報が届くのも遅いため、個の多様性は発露されません。伝統的(?)に「不良になること=カッコいい」ベクトルを突き進む傾向が見られます。

 では情報もアイテムも溢れる都会ではどうか、というと必ずしも服飾センスがボトムアップされているとは言い切れません。千代田区の元市場(いちば)跡では、まるで地理的に切り離されたかの様に文化の流入を拒み続ける地域があるのです…。

 その地の住民がその地に留まる限りには、関心には上がりません。しかし、他の地域に交易を行うために外出すると、アレレ?と周りを見て気付くものがあるようなのです…。稼いだお金を叩いて、被服を1セット購入して帰って行く現象が観察されます。

 この現象で興味深いのは、

・勝負服であること
・1セットであること


そのような共通項が見受けられます。ただ、交易に出たキャラバン隊の中で被服に目覚めて帰還するのは、まだまだ限られているようですが。

 投資対象を限定していること、優先順位を低く位置づけていることもあり、目覚めた人物であっても1セットで抑えているのでありましょう。そうはいっても覚醒した彼等は、同族と一味違うこと自意識でアピールすることに気付いてしまったため、勝負服として身に纏い、千代田区の盆地に戻っていくのではないでしょうか…。

 抽象的な分析は置いといて。

「近くのゲーセンで休憩(ワンプレイ)」という部分が興味深いなぁと感じてしまいました。考えるに、ゲーセンというのはかの地の櫓か出城な役割であるのかもしれませんね。

 敵地でも自分を見失わなかった斑目(まだらめ)さんは勝ち。着せ替え人形になって帰ってきた荻上さんは負け。わっかりやすいなぁ。

ISBN:4063211649 コミック 木尾 士目 講談社 2004/11/22 ¥530

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